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慰謝料算定の実務

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慰謝料算定実務のバイブル!『慰謝料算定の実務』

千葉県弁護士会の書籍のご紹介です。

『慰謝料算定の実務【第3版】』の特色

慰謝料算定実務のバイブルが、10年を経て待望の第3版!慰謝料実務書の決定版!!

  • 慰謝料が争われたあらゆる分野の裁判例を収集し、徹底的に分析。慰謝料額の決定に考慮される要素、算定の傾向と対策を解説。
  • 第2版発刊以降10年間の慰謝料請求事案、弁護士へのアンケート結果などを踏まえ、更に研究を深めた決定版。新たに面会交流の不実施、高齢者の死亡慰謝料や原発、インターネット上の権利侵害も掲載。
  • 分野ごとの判例分析結果一覧表(第4章は直近5年間)、アンケート結果(第2章、第14章)のまとめも収録。

慰謝料算定の実務【第3版】
千葉県弁護士会編
A5版・定価4,950円(本体4,500円+税)
※ご注文は以下のHPより申し込めます。

「刊行にあたって」より

本書は、令和5年度関東十県会夏期研究会において、担当会としての研究成果をまとめたものです。

関東十県会夏期研究会は、東京高裁管内の弁護士会13会のうち、東京三会を除く10の弁護士会が、弁護士として携わる様々なテーマについて、毎年交替で研究し、その研究成果を発表し、共有を図ることを目的として開催されています。

関東十県会としての会合は少し遡りますが、夏期研究会が開催されるようになったのは昭和43年からです。当会では、昭和47年に「慰謝料額の現状とその決定要因」(論文編と資料編)を出版し、その後他の発表を経た後に、平成14年に「慰謝料算定の実務」を出版し、平成25年に第2版、そして今回第3版を上梓することとなりました。

慰謝料というテーマは古くから研究されてきたテーマですが、弁護士であれば日常的に扱うテーマですし、また権利侵害への調整手段として広い範囲で利用されています。第2版の出版からの10年間で、インターネットなど新たな分野、類型が生じてきているとともに内容が深化しています。この状況の研究の必要性と、これまで多くの実務家、研究者などに支持されてきたことなどから、今回も第3版を出版することといたしました。

当会では、令和3年10月22日の第1回編集委員会会議を皮切りに、昨年実行本部を立ち上げ、準備を進めてまいりました。本書は、執筆班、編集班、そしてそれを支える実行本部の努力の結晶です。来し方の10年間を振り返るだけでなく、新たな事象への解決の手がかりとなり、多くの方々に活用していただくことを期待するものです。

最後に、ご多忙の中、アンケートにご協力いただいた関東十県会会員の皆様、出版に向けてご尽力いただいた株式会社ぎょうせいの担当者の皆様、そして執筆及び編集を担当された会員、実行本部の会員、並びに当会職員の方々に心から感謝いたします。

2023年(令和5年)8月
令和5年度千葉県弁護士会会長 菊地 秀樹

「はじめに」より

本書は、当会が2023(令和5)年度関東十県会夏期研究会の担当会として、そのテーマである「慰謝料」に関する研究成果をまとめたものです。

「慰謝料算定の実務」につきましては、2002(平成14)年に初版、2013(平成25)年には第2版を送り出しており、今回は第3版となります。同じテーマを3回扱うことは、長きにわたって続く関東十県会夏期研究会でも先例がないかもしれません。しかし、慰謝料の検討は損害賠償請求において必須なものであり、しかも社会の変化に伴い算定要素や基準(相場)に変動が生じ得るものでもありますから、定期的な検証・分析を行うことは我々実務家のみならず裁判官や研究者の皆様にとっても有益であろうと思い、第2版をアップデートすることを決めた次第です。

本書は、概ね第2版と同じ構成としておりますが、「交通事故」では自動車事故以外を扱い(第9章)、また消費者取引と金融取引は同一章(第12章)で扱うこととして、章立てを18から16へと削減しました。自動車事故につきましては、「民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準」(いわゆる「赤い本」)や「交通事故損害額算定基準」(同「青本」)等の自動車事故に特化した書籍に委ねること、金融取引も消費者取引の一場面として取り扱うこと、がそれぞれ適切と考えたことが理由です。また、公刊物では認識できない和解等で終了した事案における慰謝料算定の傾向やその事情等につき、弁護士に対するアンケート調査の分析結果を掲載した章がある点は旧版と同様です(第2章「男女間のトラブル」、第14章「刑事事件(犯罪被害者)」)。なお、原則として第2版出版時(2013年)以降約10年の間に公刊された裁判例を集積し分析しておりますが、こと名誉・プライバシー(第4章)の分野につきましては、裁判例数が極めて膨大なため、紙幅の都合から掲載対象は直近5年分に限らせていただいたことにつきご理解賜れれば幸いです。

本書の出版にあたり、株式会社ぎょうせいのご担当者からは、様々なアドバイスやご配慮・ご尽力をいただきました。改めて深く感謝申し上げます。また、執筆を担当された多数の中堅から若手の当会会員、大変な編集作業を担われた本書の編集委員、さらには当会職員のご尽力にも心から敬意を表するとともに、本書が慰謝料に関わるあらゆる方々にとって実務上の指針となる書籍としてご活用いただければ幸甚に存じます。

2023年(令和5年)8月
令和5年度関東十県会夏期研究会「慰謝料算定の実務 第3版」編集委員会
委員長 金城 未来彦

「あとがき」より

「慰謝料算定の実務(第3版)」の出来は如何でしょうか。当会会員の中堅若手の精鋭による2年近くに及ぶ準備研究の成果物であり、自信をもって世に送り出した書籍ですので、お手に取って下さった皆様の実務、研究の一助になれば担当した当会としても望外の喜びです。

当会が10年ぶりに2023(令和5)年度の関東十県会夏期研究会の担当会となることが決まり、まずはその研究発表テーマの選定という問題に直面しました。会員の一部からは、そろそろ新しい分野をテーマにしたらどうかという声が挙がる一方で、「やっぱり千葉は慰謝料でしょう」「改訂を望む声が多いよね」などの声も少なくなく、会員へのアンケート調査の結果、三度、慰謝料について研究発表することになりました。

当会が最初に慰謝料研究を始めて本書の初版として結実した20年前から現在に至るまでの間に慰謝料の分野にも大きな変化が生じていることは、我々が日々の実務の中で経験するところです。この第3版は、第2版の改訂以降の直近10年間の様々な変化に着眼し、公刊の各裁判例のほか、それ以外の紛争事案についても、関東十県会を構成する各弁護士会の会員にアンケートをお願いするなどして幅広く事案の収集に努め、最新の慰謝料分野の実相に迫ったものです。

本書は、このように、当会会員のみならず関東十県会管内の多くの会員及び各会職員の皆様のご協力により、また出版元である株式会社ぎょうせい様の多大なるご尽力により完成に至ったものです。この場をお借りして心より厚く御礼を申し上げます。なお、私事ながら、初版では一執筆者として、第2版では編集委員会委員長として、そして今回は実行本部本部長としていずれも本書の上梓に携われたことは感無量です。ただ、唯一心残りなのは、第2版への改訂にあたって理論的なご指導やプレシンポなど研究会の準備に多大なご尽力を賜った兵庫県立大学教授(当時)の齋藤修先生が2021年にご逝去されたとの報に接し、第3版の完成のご報告ができなかったことです。ここに謹んで哀悼の意を表するとともにご冥福をお祈りし、故齋藤修先生にこの第3版を捧げたいと思います。

最後に、本書が、法律実務家のみならず、慰謝料に関する研究、保険実務等に携わる皆様に幅広く活用されることを祈念して結びと致します。

2023年(令和5年)8月
令和5年度関東十県会夏期研究会
実行本部本部長 篠崎 純